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興味深い質問

以下では、「スイスチーズにはどのようにして味が付くのか?」というような、よくあるご質問にお答えします

生乳と滅菌乳はどこが異なりますか?

元来チーズは生乳から製造されました。今日、多くの種類のチーズは滅菌乳から製造されます。

エメンタールAOP、グリュイエールAOP、スブリンツAOPその他の特産品チーズ等の生乳チーズ用牛乳は熱処理されずにチーズに加工されます。こうして自然環境からの酵素及び細菌はまだ活性を維持しています。チーズ熟成中に、これらの微生物や酵素は滅菌チーズにはない芳香を生み出すので区別がつきます。生乳チーズは熟成するほど味が濃くなります。

滅菌乳製チーズの場合牛乳がチーズ生産前に少なくとも72 °C ( 15秒間)加熱され、次に再び冷却されます。この過程で牛乳固有の酵素や自然に含まれている細菌は不活性化してしまいます。チーズ熟成には特殊な芳香生成剤(細菌)を添加します。滅菌乳製チーズは生乳チーズよりよく若いうちに消費し、味も薄いです。 よく知られる滅菌チーズにはティルジット、モツァレラ、ほとんどのソフトチーズがあります。

生乳チーズは消費しても安全ですか?

はい。例えばAppenzeller®、ベルナーアルプスチーズ及びホーベルチーズAOP、エメンタールAOP、レティバスAOP、ル・グリュイエールAOP、ラクレット ドュ・バレAOP、ローティルジット(赤)、テート・ドゥ・モワンAOP、バシュラン フリブルジョワAOP、スブリンツAOP等のクラシックなスイス生乳チーズの衛生的安全性は生乳製であるがために輸出先の国の当局が繰り返し疑義を投げかけていますが、化学的にこの疑義は根拠がありません。卓越した牛乳の品質、搾乳から18時間以内という牛乳の短時間加工により、比較的高い発火点とカードの良好な酸性化さらに3カ月から18カ月の長期熟成が相まって、危険になる程病原菌は増殖しません。妊婦等過敏な消費者でもこうしたチーズを懸念なくおいしくいただけます。

生乳製ソフトチーズは衛生的にはずっと課題が多いです。この種のチーズはほとんど加熱処理されず、水分が多く、数週間しか熟成させないので、牛乳中の病原菌の不活性化は保証されません。衛生上の安全性は搾乳時から厳格な牛乳品質の監視及び生産ロットごとの完璧な微生物学的検査によって保証されなければなりません。

サイロ飼料で育った牛のミルクからはチーズ が出来ないのはなぜでしょうか?

サイロ飼料で育った牛のミルクは胞子が多すぎ、チーズの中で酪酸発酵を開始させるからです。長期間熟成するハードチーズやセミハードチーズが特にそのリスクを負います。エメンタールAOP、スブリンツAOP、グリュイエールAOP、Appenzeller®、テート・ドゥ・モワンAOP、ラクレット、ティルジット、その他等伝統的スイスチーズはサイロ飼料で育った牛のミルクを使わずに製造されます。

チーズの味はどのように生じますか?

数百種類のチーズがあるので、そのアロマ(香りと味わい)もカラフルな花の草原と同じように多種多様です。牛乳の芳香を出す成分が基本的なアロマを生み出します。その後のアロマ変成や生成はいずれの場合でも微生物(細菌、真菌、酵母)が行います。

脂肪分及び塩分添加を増やし、熟成期間を長くすると、アロマが濃くなります。

最高級のエメンタールAOPが輸出されているというのは本当ですか?

いいえそうではありません。国内用も輸出用もチーズは全て同じです。両者の場合でマイルドな味で若いチーズも長期熟成した独特のアロマがある特産品ともに売られています、エメンタールAOPの得意先イタリア向けには背が高く湾曲が大きいローブを生産します。

チーズの孔はどうしてできるのでしょうか?

エメンタールAOPは孔を生じさせるプロピオン酸細菌です。最初に乳酸細菌がラクトースを乳酸に変換します。これは他のチーズも同様です。エメンタールAOPに典型的なプロピオン酸細菌はこの分解生成物である乳酸をさらにプロピオン酸、酢酸、二酸化炭素(CO2)に分解しますが、この二酸化炭素で孔ができます。

例えばAppenzeller®やティルジットの場合ヘテロ型乳酸菌がラクトースを乳酸、エタノール、酢酸、二酸化炭素に分解します。さらにクエン酸も分解し、この過程でCO2をさらに発生させます。

乾燥質量中の脂肪分とは何のことですか?

チーズから水分を除去すると、脂肪、タンパク質、ラクトース、乳酸、ビタミン、ミネラルからなる乾燥質が残ります。この乾燥質を基に脂肪成分の比率を求めます。

スイスチーズを買うとき乾燥質中の脂肪成分を基にして見当がつき、同時に味の見当もつけられます:スイスチーズは脂肪分が多いほど滑らかで繊細かつクリーミーな味がします。

脂肪成分には以下のような段階があります:

  • ダブルクリームチーズ: 脂肪分少なくとも65%
  • クリームチーズ: 脂肪分少なくとも55%
  • 全脂肪チーズ: 脂肪分少なくとも45%
  • 3クォーター脂肪チーズ:  脂肪分少なくとも35%
  • 半脂肪チーズ: 脂肪分少なくとも25%
  • クォーター脂肪チーズ 脂肪分少なくとも15%
  • 低脂肪チーズ: 脂肪分15%未満

スイスチーズで「有機」とは何を意味するのでしょうか?

チーズは外見だけでは従来方式でまたは有機的に生産されたかわかりません(ローブのステッカーとチーズ証明書)。また、農産品の有機生産には異なるラベリングがありますが、内容は同じです(例えばクノスペ、ミグロスバイオ、デメーテルインターナショナル等)。

チーズ生産に関してレシピは一定であり、着色料をチーズスラッシュに添加してはならない規定になっています。いずれのケースでも、遺伝子操作添加剤はスイスチーズでは使用されません。ところが、牛乳の生産は違います。つまり有機の乳牛は例えば牛舎内で空間的に余裕があり、法定により他の牛より屋外で長い時間過ごすことが条件づけられています。粗飼料生産では化学肥料を使用してはならず、給餌の際は万能餌はサプリメントとしてのみ使用が認められます。さらに、病気になった牛の治療にも厳格な規定が適用されます。

要約:有機チーズ用牛乳生産は土地と家畜ともに大切にします。こうして持続可能な農業生産及び健康な食品に貢献できます。チーズの味及び組成に関してはほとんど差がありません。

レンネット(凝乳酵素)とは何でしょうか?

レンネットはごく微量でも牛乳を発酵させる酵素です。キモシンという用語も同義です。若い子牛の胃から取得します。今日では牛乳を発酵させる酵素は微生物からも取得されます。

カゼイン (タンパク質) は顕微鏡で見ると牛乳の成分ではなく、牛乳中にミセルとして存在します。カゼインミセルはマイナスに帯電しています。このため相互に弾き合い、牛乳の中で均一に分散しています。レンネットを添加するとその作用によってマイナスの帯電が打ち消され、カゼイン粒子は凝集してフレームが発生します。牛乳が発酵します。その理由は、カゼインミセルから大きくマイナスに帯電しておりカゼインからマイナス帯電を解消するタンパク質の断片が分裂するからです。

レンネットにはどんな種類がありますか?

子牛の胃レンネット
本来のレンネットは母乳で育った子牛の4番目の胃で生産されます。原材料の綿密な選択、精確な加工方法、管理は卓越した製品の製造のための前提条件です。子牛の胃レンネットのキモシンは自然に母乳の濃縮のためにのみ出来た唯一のキモシンだからです。胃はウシ海綿状脳症の無い国から輸入します。レンネットは遺伝子操作組織が一切使用されていないことを保証します。

レンネット代替微生物性物質
レンネット代替微生物性物質は特定のきのこの柄から取得します。これらの代替物質はGMOが無く、清浄として分類されています。

植物性レンネット
イラクサや若いイチジクの実等の特定の植物は酵素ペプシンを分泌します。この発酵酵素はとりわけ特定のフレッシュチーズ名産品に使用されます。この発酵酵素はハードチーズの生産には適しません。

遺伝子操作レンネット
遺伝子操作菌種から得るこの種のレンネットはスイスチーズの生産には使用されません。この使用自粛は業界行動規範の枠で自発的自粛宣言によって規制されており、定期的に更新されます。

*GMO=遺伝子操作組織

チーズ製造に細菌が添加されるのはなぜですか?

チーズ製造では意図的に乳酸菌を添加します。この菌はラクトース(乳糖)を乳酸に変換します。同時に、カゼインを分解し、チーズを作るのに必要なpH値も下がります。pH値が下がると不要なあるいは病原体が増殖しなくなります。

乳酸菌こそチーズを発酵、熟成させます。細菌はタンパク質及び乳酸を小さい芳香物質に分解する多種多様な酵素を産生します。若く、硬い、凝縮された、無味のチーズから芳香のある味わえる食品ができます。

チーズの中には表面がねっとりしたものがありますがなぜですか? そういう状態でなければならないのでしょうか?

そうです、表面のスラッシュはAppenzeller®、グリュイエールAOP、ティルジット、ラクレット等多くの典型的スイスチーズの必須構成要素です。チーズは週に2~3回スラッシュ水溶液(塩水)を塗り込み、さらに熟成用セラーが最適な温度(10~14℃)と相対湿度(90~95%)なのでスラッシュが発生します。

スラッシュは正確には何ですか?

スラッシュには多くの微生物が含まれ、チーズの熟成に必須であり、芳香を生み出すのにも必要です。熟成期間の最初にチーズ表面から酸を除去する酵母(Debarycomyces hansenii)が主体です。この後で初めてその他の微生物が正常に増えることができます:ブレビバクテリウム・リネンス、マイクロコッカス属、アルスロバクター属はタンパク質を分解し、色を出します。

チーズにカビが生えたら捨てるべきでしょうか?

原則的に、意図的にカビを培養させるチーズスペシャルティーと、保存有効期限を経過したり製品の保管方法が不適切なために発生するカビとは異なります。

白カビチーズやブルーチーズ、その他のチーズスペシャルティーに生えるカビは意図的であり、スペシャルティーチーズに固有のものです。

ハードチーズに生えるカビはチーズ表面にとどまります。表面にカビが生えたならカビのある個所をじゅうぶんに削り落とすとよいです。

フレッシュチーズやソフトチーズの場合望ましくないカビキノコが内部にまで生えます。こうなった製品は捨ててください。

酪酸発酵とは何ですか?

酪酸発酵ではチーズの中の乳酸が発酵して酪酸、二酸化炭素、水素に分解されます。酪酸は不愉快な臭いがします。二酸化炭素と水素のためにチーズは膨張します。酪酸発酵を阻止するには、生乳から遠心分離またはろ過によって胞子を物理的に除去します。胞子が発芽しないようにする添加剤もあります(例: 硝酸塩及びリソザイム)。これらの物質はスイスでは使用されません。すなわち、サイロ飼料を使用しない牛のミルクを使用します。酪酸発酵は滅菌乳製のチーズでも起こります。胞子は耐熱性があり、滅菌工程で壊滅されないからです。

出所:研究機関Agroscope Liebefeld-Posieux ALP www.alp.admin.ch、Emmentaler Switzerland及び Switzerland Cheese Marketing AG

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